人( )自然

2021 4K ヴィデオ(11 分 23 秒)、スライドプロジェクション(58 枚、撮影:柳原良平)、 LED ホイールライト付き自転車 サイズ可変

富山県朝日町の山間の地域(大平地区)を自転車で走行しています。そのタイヤには文字が浮かび上がっています。「人と自然」「人も自然」「人や自然」・・・というように8種類のメッセージが切り替わっていきます。

通り過ぎる風景の中には、境川に戦後に作られた水力発電所、草が繁る建設跡地、山に囲まれた9戸9人の小さな集落、太陽光パネル等、かつての痕跡を含めた様々な構造物があり、各時代での人と自然の物語が感じられます。作品中にさりげなく散りばめられたそれらの情報は、鑑賞者の関心の置き所によってそれぞれに異なった観点を提供するでしょう。「人と自然のゆらぐ境界を考える」ことについて、作家の問いが率直に投げかけられます。

–尺戸 智佳子(黒部市美術館学芸員)

おもな展覧会

2023 千葉県立美術館、千葉(個展)

2021 黒部市美術館、富山(個展)