I Am Everything, Everything Is Me

2015, HD video, 01:39 min.

パスポートの写真、椅子、落ち葉、眼鏡、生肉、ごはん、犬、犬のぬいぐるみ、馬、骨、動物の排泄物、スマートフォン、ベンチ、花火、クレーン車、集合住宅、雑巾、トイレットペーパーなどが、多種多様な「me」、「me」、「me」、「me」という音とともに次から次に瞬間的に変わっていく。溶ける氷から湧き水、忙しそうに動く蟻からビルの屋上で仕事をする人、石からじゃがいも、赤色の三角コーンからプチトマト、ビルからつくし、つくしからトーテムポールと、色や形、用途、材質、性質の連想ゲームのように、形のある物、ない物、自然物、人工物といった様々な物に「me」が移り変わって行く様は、現代の万物流転の世界を体現する。「「私」という物質自体が、地球上のサイクルの中で形作られた一瞬とも言えます。」と言うように、この作品は、すべてのものが固定的な本質をもたず、変化が常態であることを示すのである。しりとりや連想ゲームといった道具のいらないゲームの中に、万物流転の世界の発見でもある。

– 中尾英恵 (小山市立車屋美術館学芸員)

おもな展覧会・スクリーニング (*)

2017 Nimman Film Festival、チェンマイ*

2015 小山市立車屋美術館、栃木(個展)